終活はどうして必要なのですか?

最初に終活という言葉が登場したのは2009年です。その後、2012年には流行語大賞のトップ10入りするほど注目され、今でも終活に関する本や情報が多く登場しています。多くの人が注目する終活は、どうして必要なのでしょうか?



終活の役割とは?

終活は、葬儀の方法や財産・モノの引継ぎ方など自分の希望を家族に伝えるための手段と考える方も多いのではないでしょうか。もちろん、自分の希望を伝えるのは大切なことです。けれども、それだけではありません。終活は人生の終わり方を考えるだけではなく、自分らしく生きていくための人生の楽しみ方や生きがいを見つけるきっかけになるのです。自分の人生を振り返ることで、やり残したことや、これからやってみたいことを見つけられれば、自分らしい人生を全うできるのではないでしょうか。
また終活にはもう一つ、役割があります。それは、自分に万が一のことがあったときに、遺された人たちが困らないために、自分の希望をはっきりさせておくことです。あなたが亡き後さまざまなことを処理するのは、大切な家族です。処理方法に迷い、困らせないためにも、自分の希望を文章などで残しておくことは大事です。

終活を考えるための3ステップ

終活を考えるときは、次の3ステップで希望を出してみるとよいでしょう。

  • ステップ1:自分の想いを整理する
  • 自分が万が一のとき、家族に託したい想いがあると思います。また、最後まで自分らしさを大切にしたいと考える方もいらっしゃるでしょう。もし、自分の想いがあるのなら、エンディングノートに記載しておくことをおすすめします。葬儀のこと、お墓のこと、相続のこと、想いを託したい人への伝言など、想いに遠慮はいりません。
    このとき、忘れずに記載しておきたいことは、自分が介護になったときのことです。認知症など介護状態になってしまったら、自分の本当の想いが届けられなくなるかもしれません。そんなときのためにも、誰に介護してほしいか、介護費用はどうするか、財産管理をどうするか、延命治療はどうするか、などを忘れず書いておくことをおすすめします。
    また、家族1人ひとりへの感謝の言葉も忘れずに書いてはいかがでしょうか。家族もきっと、あなたからの想いが文字で残るのは、うれしいことに違いありません。

  • ステップ2:持ち物の引き継ぎ方を考える
  • あなたが万が一のとき、遺される家族にとって大変なのは、持ち物をどうするかです。家族が遺品整理をすることになると思いますが、遺された物1つひとつに込められた思い出と向き合いながら物を処分していくことは、辛い作業です。思い出を捨てるような気持ちになって、まるでいけないことをしているかのように感じることもあります。それに、物の処分には体力が必要です。家族に大変な思いをさせないためにも、「必要な物」「不要な物」を分別して、不要品は元気なうちに処分しておくことをおすすめします。必要な物だけを残し、自分が亡き後それらの物をどのようにしてもらいたいかをエンディングノートに記載しておきましょう。
    また、大事なのは、預貯金や不動産、保険、年金など、お金に関するものの処理方法です。預けてある場所や保管場所とともに、誰に、どのように託すかも記載しておきましょう。
    さらにペットがいる場合は誰に世話を頼むのか、あるいは、携帯電話や利用しているWEB関連のサービスをどうするかなども記載しておくといいでしょう。

  • ステップ3:これからの生き方を考える
  • ステップ1、2を通して、自分の過去や現在を振り返ることで、自分のやり残したこと、本当にやりたかったことが見えてくるかもしれません。そんな想いはそのままにしておかないで、正直な想いを紙に書き出してみましょう。人は何歳になっても夢や希望を持っていいのです。これから先の生活を充実させるため、最後に後悔しないためにも、夢や希望を書き出して、1つひとつ実現させていくのも楽しいのではないでしょうか。終活で大切にしたいのは、自分の想いです。無理かなと思うことでも、誰かに相談してみれば、自分でも気づかなかった道が開かれるかもしれません。


終活の必要性

終活は、人生の棚卸をして、これまでの生き方を振り返り、これからの人生をよりよく生きていくために必要なことです。また、自分の亡き後、家族がさまざまなことに迷わないようにするための、あなたから家族への思いやりの作業とも言えます。自分の想いと向き合い、どのように自分らしい人生を送るかを考える作業は大変で、時に辛いかもしれませんが、あなたの想いをカタチにできたときは、きっとこの上ない充実感を味わえることでしょう。

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