終活に向けて保険をどうする?

もしもの場合に備えて、保険に加入している方も多いと思います。いざというときに保障が得られるのは安心ですが、リタイア後も現役時代と同じ保険のままでいると、月々支払う保険料の負担が家計を圧迫することもあります。子どもの独立や定年退職など、家族構成の変化や人生の節目は、保険を見直すいいチャンス。ここでは、生命保険と医療保険について、見直しのポイントをご紹介いたします。

生命保険はどう見直す!?

生命保険は、いざというとき遺される家族の生活を保障するために加入するものです。主なものには、定期保険と終身保険があります。では、この2つの保険の見直し方を見ていきましょう。

定期保険は、いざというときの死亡保障が大きく、保険料は比較的安いのが特徴です。ただし、貯蓄性はなく、更新型の場合は、更新のたびに保険料が上がっていきます。また、保険期間が終身ではないため、例えば保険期間が60歳までとなっている場合、61歳で死亡しても保障は得られません。さらに、一定期間は少しずつ増額していく解約返戻金も、ある時点を過ぎると減少し、保険期間満了時には0円となります。定期保険は、子どもが生まれ、教育資金が必要な子育て期間には適していますが、保険料の負担や保障の内容を考えると、子どもが独立した後は見直したほうがよいでしょう。

終身保険は、一生涯の保障を確保するのに適しています。貯蓄性があるため、自分の葬儀代や相続税対策に利用することができます。ただ、貯蓄性のある保険は保険料が高くなります。ここで見直したい部分は、保険料の払込期間です。これには、60歳や65歳など一定期間まで保険料を払い込めば一生涯の保障が得られる有期払いのものと、生きている限り保険料を払い込む終身払いのものがあります。有期払いと終身払いの保険料を比べると、終身払いのほうが保険料は安くなりますが、長生きする分、払い込む保険料が増えていきます。公的年金のみの生活になったとき、終身払いの場合は家計を圧迫するかもしれません。今、ご加入中の終身保険はどのような内容になっているか、一度チェックしてみましょう。

医療保険の保険料は何歳まで負担する?

医療保険は、病気やケガで入院や手術が必要になったときに備えるもので、入院給付金や手術給付金などが受け取れます。生命保険文化センターが行った「平成25年度生活保障に関する調査」によると、入院時の自己負担費用の平均は22.7万円で、入院1日あたりの自己負担額の平均額は2万1千円でした。医療費の自己負担分が高額になった場合は、一定額を超えた分が後から払い戻されるという制度があります。これを高額療養費制度といいますが、差額ベッド代や入院中の食事代、保険外の診療費は対象外となります。そのため、病気やケガで入院したときは、ある程度のお金は負担しなければいけないのです。また、年齢が高くなると病気にかかるリスクが大きくなるため、医療保障は備えておいたほうが安心です。医療保険には、保険料が生涯変わらない終身型と、一定期間を保障する更新型があります。更新型は更新ごとに保険料が上がっていくため、保険料の変わらない終身型のほうがよいでしょう。ただし、保険料の払込期間は考える必要があります。生きている限り払い続けるタイプよりも、60歳や65歳など短期で払い込みが終わり、保障は一生涯得られるタイプのほうが、リタイア後の家計の負担を軽くします。



終活に向けた保険の見直しポイント

ここで、終活に向けた生命保険と医療保険の見直しポイントを見ておきましょう。

生命保険の見直しポイントは、以下の通りです。

  • ・子どもの独立、定年退職など人生の節目は保険の見直し時期
  • ・子どもの独立で家族構成が変われば、死亡保障が減る
  • ・保険料の払込期間をチェック
  • ・葬儀代にいくら必要か、相続税は必要になるかを確認しておく

医療保険の見直しポイントは、下記の通りです。
  • ・医療保障は一生涯得られたほうがよい
  • ・リタイア後の保険料負担をなくすために、有期払いのタイプを選ぶ
  • ・医療費が助成される高額療養費制度について知っておく

もしかしたら、ご自分で保険の見直しをするのは少々難しいかもしれません。そんなときは、ファイナンシャル・プランナーなどの専門家にアドバイスをもらうとよいでしょう。あなたも終活の第一歩として、ご加入中の医療保険を見直してみることをおすすめします。

               (当コラムに掲載している情報は2015年5月時点のものです。)



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