親の家が片づかない、
どうしよう…。

最近、「親の家が片づかない」というお悩みをよく耳にします。押し入れなどに詰め込まれたモノや部屋の隅に積み上げられたモノなどを見て、「どうして、こんなになるまで溜め込むの?」と唖然とした経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。実は、親世代の家が片づかないのには、ある理由があります。 ここでは、親の家が片づかない理由と片づけ方のコツをご紹介いたします。

親の家が片づかない理由

片づけをするには気力と体力が必要です。けれども、高齢になると、だんだんと体力が衰えていき、判断力が鈍っていきます。また、気力も失われていくので、片づけをするのが億劫になります。そのために家が片づかなくなっていくのです。でも、理由はこれだけではありません。モノに対するさまざまな想いがあるために、モノを処分することができなくなっているのです。

  • ◇親世代がモノを処分できない理由
  • ・モノを大切にしなければいけない「もったいない」という想いがある
  • ・壊れていないモノは、まだ使えるから捨てられない
  • ・友人からもらったモノだから、処分するのに後ろめたい気持ちがある
  • ・どうやって処分したらいいのかわからない
  • ・いつか使うかもしれない
  • ・思い出の品だから捨てられない

このような「処分できない」というしがらみを解いてあげるのは、私たち子世代の役目です。ただ、モノに対する考え方が親世代と子世代では違いがあるため、いざ親の家を片づけようとすると「捨てる!」「捨てない!」と言い争いになることもしばしばあります。

どんなときでも、モノに対する子世代の考え方を親世代に押しつけてはいけません。余計に片づけがうまくいかなくなります。親の家を片づけるときは、時間はかかりますが、モノに対する想いをじっくり聞いてあげることが大切です。モノに込められた思い出を語ることで、すんなりと処分できることがあるのです。片づけは、子世代が主導で行うのではなく、親のサポート役に徹しながら話に耳を傾けてあげることで、スムーズに進んでいくでしょう。

親の家を片づけるコツとは?

片づけは、親が元気で判断力のあるうちに行うのがよいでしょう。実際に片づけをするときは、親と一緒に「必要か」「不要か」を1つひとつ確かめながら行います。また、家じゅうのものを一度に片づけると、親は体力を消耗してしまいます。キッチン、リビング、洗面所、押し入れなど、家の中をいくつかに分割して、1日に1カ所ずつ片づけるのがよいでしょう。

作業の方法は、その日に片づける場所を1カ所決めたら、そこに収納されているモノをいったん全部外へ出し、「必要なもの」「不要品」「判断に迷うもの」の3つに分けていきます。必要なものは、元の場所に整理しながら戻します。不要品は、リサイクルショップに持っていったり、人に譲ったりするとよいでしょう。古着は自治体で回収している場合もありますので、広報誌などでチェックしてみましょう。また、社会貢献として不要品を募集している団体へ寄付する方法もあります。もし、ゴミとして出すのであれば、燃える物、燃えない物にきちんと分別して処分しましょう。判断に迷うものは、処分する期限を決めて、段ボール箱などに入れておきます。期限が来ても使う機会がない場合は、思い切って処分してしまいましょう。


親が介護施設や高齢者向け集合住宅へ移るときは?

親が介護施設や高齢者向け集合住宅へ移るときは、持ち物を最小限に減らす必要があります。なぜなら、部屋のスペースに限りがあるからです。このとき、「大事な思い出の品だから持っていきたい」と言われたら、できるだけ希望をかなえてあげましょう。大切なものが身近にあると安心できますし、生きる喜びにもなります。また、家に残していくものは処分してもいいか、親に承諾を得ておきましょう。

親の家を片づけていると、たいてい子世代にはこんな想いが生まれます。

「自分は、片づけで子どもに迷惑をかけたくない」

私たちもいずれは高齢者となり、体力・気力が衰えていきます。そうなったとき、子どもたちに「親の家が片づかなくて困る…」と思われないよう、定期的に不要品を処分する習慣を持っておきましょう。また、円満な家庭と安心できる暮らしのために、家族に迷惑をかけないための心遣いを常に持っておきたいですね。



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