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ためになる!? はがきの豆知識

年賀状の正しい書き方とは|7つのステップで分かりやすく解説

年賀状の文面には、何をどんな順番で書いたらいいのだろうか。ここでは、一般的な年賀状の書き方を例文とともに紹介する。年賀状によく使われているにもかかわらず、実は間違った表現であるという例もあるので参考にしたい。また送り方についても、できるだけ元旦に相手のもとに配達されるよう、投函時期などをよく確認しておこう。

年賀状と一般はがきを区別する「朱書き」

「朱書き」とは、お年玉付郵便葉書の切手の位置の下に、赤い字で書かれている「年賀」の文字のことを指す。日本郵便が発行している年賀はがき以外の葉書、つまり、普通の郵便はがきや私製はがきを年賀状として使うときには、必ずこの「朱書き」を切手の下など、はがき表面の見やすい位置に書いておくことが必要だ。「年賀」の赤い文字がないはがきは、年賀状とみなされず通常はがきの料金(63円)の適用となり、普通郵便物として年内に配達されてしまう可能性があるので注意したい。

なお、私製の葉書を使うときには、切手を貼ることを忘れずに。お年玉年賀はがきほど広く知られていないが、「お年玉付き年賀切手」も発行されているので、利用してみては? 詳しくはこちらを参照。

基本的な宛名の書き方を知ろう

宛名の書き方にはルールがあるので、相手に失礼がないように、しっかりと押さえておきたい。宛名のルールを覚えておけば、年賀状だけでなく、普段の葉書や手紙のやり取りでも役に立つだろう。

まず、相手の住所はなるべく2行以内に収まるように書く。1行目は番地や号まで、アパートやマンションに住んでいるなら、2行目は建物名から部屋番号まで書くのが基本だ。

2行目は1行目よりも1文字以上下げて書き出そう。住所が長くなりそうなときは、2行目の文字を小さくして、2行以内に収めたい。建物名は必ず書き、部屋番号だけで省略するのは避けよう。

相手の名前は中央に大きく書く。姓と名、名と敬称の間は広めに空けよう。敬称には特に気をつけたい。個人であれば「様」が基本であり、「殿」は目下への敬称になるのでNGだ。学校の先生や恩師であれば、「先生」も敬称として使える。団体であれば「御中」と書こう。

団体に所属している個人宛てなら、団体名に「御中」はつけず、個人名の最後に敬称をつけよう。企業の役職に敬称はつけず、たとえば部長宛てであれば、「部長〇〇様」とするのが正解だ。

連名で送りたいときも、「・」(中点)でつないだり、ひとつの「様」を共有したりするのではなく、2列以上にしてそれぞれに「様」をつけるのが正しい。2列目以降は姓を省略して、名を同じ高さに揃えよう。

差出人の住所と氏名は、切手の幅に収めるのが望ましい。ただし、連名にする家族が多かったり、「住所が変わった」「家族が増えた」など、知らせたい情報があったりして、長くなりそうなときは、裏面だけに記載しても良いだろう。新しい家族には、ふりがなをつけると親切だ。

このように、宛名の書き方にはさまざまなルールがある。相手が気持ちよく年賀状を受け取れるように、しっかりと確認しよう。詳しくはこちらを参照。

基本的な年賀状の書き方を知ろう

年賀状の書き方 その①

年賀状には何をどの順番で書くか

一般的に、年賀状は次のような項目が順番に並んで構成されている。

①「謹賀新年」「賀春」といった賀詞。他の文章よりも大きめに書かれることが多い。
②前年のお付き合いのお礼や、年越しを無事にできたことの喜び、日ごろの感謝などを述べる文。
③変わらないお付き合いや、今後の指導などを願う文。
④相手および相手の家族などの幸せを願う文。
⑤日付。年賀状を作成した日付ではなく、多くの場合は「○○年 元旦」と書くことが多い。
⑥最後の空きスペースに、ひと言メッセージを書きいれる。メッセージは、年賀状作成ソフトを使って、印字することもできる。①~⑤は、共通であっても、⑥の部分だけは送る相手によって書き分けたい。

それでは次に、①賀詞と、②~④の文例を見てみよう。


それでは次に、①賀詞と、②~④の文例を見てみよう。

年賀状の書き方 その②

年賀状に入れる「賀詞」とは?

本来、「賀詞」とは、お祝いの言葉一般を指す言葉なのだが、特に年賀状の冒頭に用いる新年のお祝いの文言を「賀詞」と呼ぶ。
賀詞には、「寿」のように漢字1文字のもの、「迎春」のように漢字2文字のもの、「謹賀新年」のような4文字のもの、「あけましておめでとうございます」といった文章のタイプ、「Happy New Year」のような英文スタイルのものがある。
漢字1文字・2文字の賀詞は、主に目上の人が目下の人に向けて使うことが多い。シンプルすぎて丁寧さや礼儀に欠ける印象もあるので、上司や取引先などに出す年賀状には使わないよう注意しておきたい。目上の人に送る年賀状には、へりくだった表現や、謹む気持ちや相手を敬う気持ちを表す漢字を用いるとよい。謹・敬・恭、などの漢字がそれにあたる。

年賀状の書き方 その③

賀詞のタイプいろいろ

それぞれのタイプ別に、賀詞の例をいくつか挙げてみよう。

■漢字1文字の賀詞

・寿 :めでたい、祝う
・賀 :祝う、よろこぶ
・福 :幸せ、ねぎらう
・禧 :よろこぶ
・春 :新年、年のはじまり
・吉 :めでたい、縁起が良い
・和 :なごむ、なごやか
・安 :やすらぐ
・慶 :よろこぶ

など

■漢字2文字の賀詞

・賀寿 : 長寿を祝う
・賀正 : 正月を祝う
・寿春 : 新年(初春)を祝う
・新禧 : 新年をよろこぶ
・迎春 : 新春(新年)を迎える
・慶春 : 新年(初春)をよろこぶ
・頌春 : 新年(初春)をたたえる
・慶賀 : よろこび祝う

など

■漢字4文字の賀詞

・謹賀新年: 謹んで新年をお祝い申し上げます

・謹賀新春 : 謹んで新しい年をお祝い申し上げます

・恭賀新年 : 恭しく新年をお祝い申し上げます

・恭賀新春 :うやうやしく新しい年をお祝い申し上げます

・慶賀光春 : 輝かしい新年のお喜びを申し上げます

・敬頌新禧 : うやうやしく新年の喜びをお讃え申し上げます

など

■文章の賀詞

・「あけましておめでとうございます」

・「新年おめでとうございます」

・「新春のお慶びを申し上げます」

・「新年の御祝詞を申し上げます」

・「謹んで年頭の御祝詞を申し上げます」

・「謹んで初春のお慶びを申し上げます」

など

『筆まめでぃあ』からの、ワンポイントアドバイス

漢字1~2文字の賀詞に続けて、文章の賀詞を書くときには、お互いの意味が重複しないように気を付けよう。例えば、「賀正」と「新年おめでとうございます」はほぼ同じ意味。意味が似通った賀詞同士は、併記しないようにしよう。また、「新年」には「明けまして」の意味が入っているので、「新年あけましておめでとうございます」も間違い。「明けましておめでとうございます」だけでよい。
同じく、「元旦」は「1月1日」の意味なので、「令和○○年 1月 元旦」とするのは間違い。「元旦」と書くときは、「1月」「一月」は不要なので注意しよう。

■英文の賀詞

・New Year’s Greetings : 新年のごあいさつ

・Happy New Year : 新年おめでとう

・A Happy New Year : よい新年を

・May the new year be filled with happiness : 今年もあなたに幸福あれ

『筆まめでぃあ』からの、ワンポイントアドバイス

欧米では、クリスマスと新年のあいさつを一緒に行うのが一般的。「A Happy New Year」には、「良いお年をお迎えください」という年越し前に使うニュアンスが込められている。年越し後に届く年賀状には不向きなので気を付けよう。日本のように、年が明けた後に届けるカードには、「Happy New Year(新年おめでとう)」と書いておくのがよい。

年賀状の書き方 その④

賀詞に続けて添える文章例

続いて、基本的な年賀状の書き方②~④にあたる部分の例文をいくつか挙げてみよう。新年のお祝い気持ちを伝える年賀状として、相手の健康や発展を願う部分は、本来の意味から最も重要な箇所だ。例文通りでなくとも、心のこもったひと言を送りたい。

■お世話になっている方にご支援やご指導を願う文章

・本年もご指導・ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます

・本年も変わらぬお付き合いのほど宜しくお願いいたします

・本年も一層のお引き立てのほど宜しくお願いいたします

・本年も倍旧のご愛顧のほどひとえにお願い申しげます

■相手や相手の家族の健康、繁栄を願う文章

・皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます

・皆様にとって幸多き年となりますようお祈り申し上げます

・皆様のご多幸と繁栄をお祈り申し上げます

・御社のますますのご発展をご祈念申し上げます

・貴社ますますのご発展と社員皆様のご活躍を祈念いたします

■親しい友人や同僚に抱負や意気込みを伝える文章

・お互いに良い一年になりますように

・今年も仕事で一緒に頑張りましょう

・今年は大きく飛躍できるよう努力して参ります

・夢を実現するためにチャレンジしたいと思います

・共に目標を達成できる一年にしましょう

など

■取引先などビジネスの相手に送る文章

・旧年中はご愛顧いただき誠にありがとうございます

・昨年中は格別のご厚情を賜り心より御礼申し上げます

・本年も変わらぬご厚情のほどよろしくお願い申し上げます

・本年も社員一同誠心誠意皆様のお役に立てるよう努める所存でございます

・本年も一層のご支援のほどお願い申し上げます

など

年賀状は、プライベートだけでなく、ビジネスの相手にもぜひ送りたい。きちんとしたあいさつ状を送る良い機会であり、会社同士の関係はもちろん、個々の担当者同士の関係も円滑にしてくれるだろう。しかし、あくまでも仕事の一環として出すもの。失礼のない礼儀正しい文面の年賀葉書を送るよう心がけよう。

このように、年賀状を送る相手によって、添える文章は大きく異なる。できれば相手ごとに文章は変えるのが望ましいだろう。その他の文章例については、こちらを参照。

※なお、年賀状は用件を伝える「手紙」ではないので、賀詞とあいさつ文のみでまとめるようにしよう。

『筆まめでぃあ』からの、ワンポイントアドバイス

お祝いを述べる年賀状では、滅びる、失う、倒れる、枯れる、衰える、といったような表現は使わない。「去る」も避けたい表現なので、「去年」と言いたいときは、必ず「昨年」「旧年」などに言い換えるようにしよう。

年賀状の書き方 その⑤

年賀状の投函時期

「年賀郵便特別取扱」とは、年賀はがきを一定期間に出せば、通常のはがきに押される「消印」を押さず、翌年の元旦に、宛先へ配達するサービス。毎年、年賀郵便特別取扱の年賀状の引き受けは、12月15日から開始する。
日本郵便の「2023(令和5)年用年賀葉書の発行および販売」によると、2022年12月15日~25日までに投函された年賀状は、元旦に宛先の住所に配達されるよう、手配される。25日を過ぎても、28日までに投函されたものであれば、できる限り元旦に届くよう、対応するとのことだ。確実に元旦に届けたい場合は、12月25日までの投函を心がけよう。

『筆まめでぃあ』からの、ワンポイントアドバイス

もともと年賀状は、1月2日の「書初め」で書かれていたもの。そのため、元旦に届かなくとも、松の内(一般的に1月7日まで)に届けば失礼ではない。もし、松の内に間に合わない場合は賀詞を書かずに、「寒中見舞い」として送るとよい。

年賀状の書き方 その⑥

年賀状に添えてみたい俳句

年賀状に一句添えるだけで、おめでたい気分をより盛り上げてくれる俳句をいくつか紹介する。『筆まめ』には、このほかの俳句を集めた名句集が収録されているので、ぜひ引用してみては?

正月や よき旅をして 海を見る 碧悟桐
元日の 人通りとは なりにけり 子規
七草や 袴の紐の 片むすび 蕪村
初夢に ふるさとを見て 涙かな 一茶
一人居や 思ふことなき 三ヶ日 漱石
元日や 手を洗ひをる 夕ごころ 龍之介
一年の 又はじまりぬ 何や彼や 虚子
よき事の 目にもあまるや 花の春 千代女
縁側の 日にえいにけり お元旦 鬼城
元日の 新しい顔で 友ら来る 草城
初春や 心まどかに 手毬唄 添水
元日や 人の妻子の 美しき 梅堂

「筆まめ」なら簡単に年賀状がつくれる!

年賀状を自力でつくるのは手間がかかる。送る相手ごとにデザインや文章を考えるのも大変だ。パソコンでつくるとしても、無料のソフトでは機能が限られており、デザインやイラスト、フォントの種類も少ない。そこで、おすすめしたいのが「筆まめ」だ。

筆まめは、20年以上にわたって日本国内で販売本数のトップを誇る年賀状ソフトである。手頃な価格でありながら、豊富な素材やフォントを使って初心者でも簡単に年賀状をつくることができる。

デザインやイラストは約45万点、フォントは136書体で、筆まめにしかないフォントもある。シーンに合った定型文も豊富だ。「年賀状デザインナビ」の画面の指示に従って選ぶだけで、簡単に見映えの良い年賀状が完成する。

パソコン操作に慣れていれば、より凝ったデザインにすることが可能だ。カメラがついているパソコンなら、「ダイレクト撮影」で手書きのイラストや直筆の挨拶文などを取り込める。より心のこもった年賀状をつくれるだろう。

宛名も自動でレイアウトできる。住所の登録は、郵便番号から検索するだけで、大幅に入力の手間を省けるのはうれしいところだ。

筆まめがあれば、年賀状をつくるときの悩みを解消できるだろう。筆まめの詳しい情報については、こちらを参照。

まとめ

作法にのっとり、礼儀正しく書かれた年賀状が新年の元旦に届くのは、気持ちの良いものだ。自分だけに宛てた手書きのひと言が書かれていたら、受け取り手もいっそう嬉しさが増すだろう。
年賀状は枚数が多いと準備も大変になるが、今は年賀状作成ソフトなども出回っているので、それらを利用して早めに準備を始めよう。賀詞の書き方や、どんなあいさつ文を用いたらよいか迷うときは、例文を参考にしたり、年賀状作成ソフトに入っているひな型に手を加えるなどして、自分なりの年賀状を作ってみよう。

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