郵便はがきのそこが知りたい!
宛名面にもイラストや写真を
使ってもいいの?
皆さんは“痛年賀”なるものを聞いたことがあるだろうか? 年賀はがきのなんと宛名面(裏面ではなく!)を、マンガやアニメでデコってしまったもので、ここ数年、その大胆さがSNSなどでよく話題になっている。ところでこれって、実際のところはがきとしてルール違反ではないのだろうか!?
自由すぎる“痛年賀”だが、郵便はがきとしてはOK! だが実は……
下の画像は、例として“痛年賀”を作ってみたもの。自由すぎる痛年賀は千差万別、いろいろ工夫して作られているものが多い。が、この作例のように、コマ割りされたマンガを活用し、その吹き出しに届け先の住所や氏名を入れて、まるでキャラクターのセリフのように宛先を記載するというのが、いちおうのスタイルだ。
自分で作っておいてなんだが、やはりこの大胆さには思わず驚いてしまう。さすがにここまでの宛名面の装飾は……と思ったが、結論から言うと、郵便はがきのルールとしてはなんとOKなのだ。郵便物は、『内国郵便約款』というものでルールが規定されている。これを確認してみると、第23条(郵便葉書の表面に記載できる事項)の第1項第4号に宛名面の規定が見つかった。それによると、通信文その他の事項は
郵便葉書の下部2分の1(横に長く使用するものにあっては、左側部2分の1)以内の部分に記載
内国郵便約款第23条第1項第4号(日本郵便株式会社)
となっている。つまり、宛名面の下半分(横向きに使用する場合は左半分)は、通信文その他=文字や絵柄を自由に入れてOKということになる。また、この条項にはさらに
あて名及び受取人の住所又は居所の郵便番号と明確に判別できるように記載する場合にあっては、この限りでありません
内国郵便約款第23条第1項第4号(日本郵便株式会社)
と但し書きがされている。…ということは、消印のスペースや郵便番号に影響がなく、受取人の住所や氏名と明確に判別できるよう余白や境界線が引かれていれば、全面的に装飾を施しても問題ないようだ。実際にSNSなどで、作例のような“痛年賀”が届いたと多数投稿されていることからも、そのように運用されていることが確認できる。
ただし、ここで1点、重要な指摘をしておきたい。マンガやアニメその他、著作物を転用することは、例え個人の私的利用であっても著作権侵害にあたるということだ。日本においては現状、著作権侵害は親告罪つまり著作権者が訴えない限りは刑事責任を問われないことになっているので、“たまたま”訴えられていないだけ。年賀はがきであっても本来は著作権侵害にあたるので、十分に注意してほしい。ちなみに先の作例は、著者が作品の2次利用をフリーとして作品データを公開しているので、その利用規約の範囲で作成している。
次回は一転、大人としての作法が気になる「喪中はがき」についての検証をお届けする。
文/クエストルーム
バックナンバー