郵便はがきのそこが知りたい!
7桁の郵便番号で実は
住所の大部分を省略できる!?
7桁の郵便番号の役割をご存じだろうか? 実は7桁の郵便番号で、住所の町名までは特定することができるのだ。つまり、郵便番号さえ正確に記載していれば、番地や建物名、部屋番号だけ書けば届くはず……なのだが果たして?
7桁の郵便番号を用いた住所の記載省略例
郵便番号は、郵便事業を省力化するために1968年に導入された制度。集荷した郵便物を読み取ることで、効率的に配送できる仕組みなのだ。当初は3桁または5桁だった郵便番号が7桁となったのが1998年のこと。この7桁化によって郵便の集配は格段に効率化された。ひとつは町名まで区別できるようになったのと、この7桁化と同時に、郵便番号が機械で読み取って振り分けられるシステムが導入されたのだ。
つまり、郵便番号さえ正しく記載されていれば番地や建物名・部屋番号だけで届くようになったということだが、日本郵便のホームページを確認してみると、「郵便番号・バーコードマニュアル」には[行政区名](市区町村)までは省略しても構わないが、[町域]以下は必ず記載ということになっている。以下、日本郵便のホームページを参考に、具体的にどのように省略できるのか、解説してみよう。
(例1) | |
100-0013 東京都 千代田区 |
霞ヶ関 1丁目3-2 |
(省略可能) | (町域名) |
↓ | |
100-0013 霞ヶ関 1丁目3-2 |
(例2) | |
790-0066 愛媛県 松山市 |
宮田町 8-5 |
(省略可能) | (町域名) |
↓ | |
790-0066 宮田町 8-5 |
※参考:日本郵便Webサイトより
7桁の郵便番号が間違っていないことは必ず確認のこと! ちなみに、大手企業やランドマーク的なビル、郵便物の扱いの多い事業所などは専用の「大口事業者個別番号」を取得しており、郵便番号だけで住所そのものを省略できる。
住所に「大字」「字」が含まれている場合は要注意
ここで少し悩むのは、住所に「大字」「字」含まれている場合。この場合は、2つのパターンに分かれるとのこと。まず 1)町域名に先だって「大字」「字」がある場合。この場合はシンプルで、「大字」「字」の文字までを省略することができる。もうひとつは少しややこしいが 2)「大字」がついた町域名の後に「字」も続く場合。この場合は「字」は省略することができない。具体的に見てみよう。
(例1)町域名に先だって「大字」「字」がある場合 | |
333-0823 埼玉県 川口市 |
大字 石神 978 |
(省略可能) | (町域名) |
↓ | |
333-0823 石神 978 |
(例2)「大字」がついた町域名の後に「字」も続く場合 | |
038-3802 青森県 南津軽郡 藤崎町 |
大字 藤崎 字 西村井 8-2 |
(省略可能) | (町域名) |
↓ | |
038-3802 藤崎 字 西村井 8-2 |
※参考:日本郵便Webサイトより
住所の省略はマナー違反!?
ということで、7桁の郵便番号さえ正しく記載されていれば、住所の大部分を省略しても構わないわけだが、「年賀状や暑中見舞いなど一度にたくさん出す場合にこれは助かる!」と思いきや、儀礼的なはがきにはマナー違反という意見も多い…(目上の方には「謹賀新年」の省略形ではなく、きちんと「謹んで新春のお慶びを申し上げます」と書くべきと言われるのと同じこと)。そこで、デジタルツールの出番となる。例えば年賀状作成ソフト『筆まめ』には、この郵便物の仕組みを活用し「郵便番号辞書」を搭載。7桁の郵便番号を入力すれば[行政区名]までは自動的に入力できるのだ。もっとも手間暇のかかる宛名面はデジタルツールで省力化して、その分、一通一通に思いを込めた一言を添えてみてはいかがだろう?
次回は、最近話題の「痛年賀」=宛名面のデコレーションを検証予定。お楽しみに。
文/クエストルーム