ためになる!? はがきの豆知識
ここでは、身近なワープロソフトであるMicrosoft Word を使った年賀状の文面作成の方法を紹介する。Wordは、Windows利用者ならば、ほとんどの人が使ったことがあるだろう。Wordはビジネスで使う文書や資料の作成には、とても便利なツールだ。Wordで年賀状や暑中見舞いはがきの作成・印刷を行うときは、ビジネス文書では使わないような機能も必要になるが、Office系のソフトに慣れていない人、初めてWordで年賀状を作ってみようという人にも分かりやすいように、順番を追って説明していくので、ぜひチャレンジしてみよう。
※OS:Windows 7、Officeのバージョン: Microsoft Word 2010 を使用した場合の操作。
写真は事前に準備しておこう
Wordには、年賀状や暑中見舞いといったあいさつ状に使えるイラスト・画像素材があまり多く内蔵されていない。また、画像編集も限られた機能しか搭載されていない。そこで、年賀状に家族写真や風景画などを使いたい場合は、専用の画像編集ソフトで、最適なサイズに加工した画像を事前に準備しておいたほうがいいだろう。拡張子を「.jpg」「.png」にして、パソコン上の「ライブラリ」や「ピクチャ」といった場所に保存しておくとよい。
Wordを使った年賀状の文面作成手順 その①
用紙の設定をする
Wordを立ち上げたら、用紙のサイズ設定をするところからスタートしよう。
1.最初に画面上部の「レイアウト」をクリックする。次に「ページ設定」の中の「サイズ」をクリック。出てきた候補の中から「はがき(100×148mm)」を選ぶ。
2.次に、「ページ設定」の中の「印刷の向き」を選択。出てきた候補の中の「縦」または「横」を選ぶ。
3.続いて、「ページ設定」の中の「余白」を選択。一番下にある、「ユーザー設定の余白(A)」をクリックする。「ページ設定」のウインドウが出てくるので、「余白」タブをクリックし、上下左右の余白数値を入力、最後に「OK」を押す。
※ここでは、「縦書き」、余白は上下左右とも「10mm」で設定。
Wordを使った年賀状の文面作成手順 その②
文面の文字を作成する
文面作成には、テキストボックスを使うと便利。テキストボックスをいくつか作って、賀詞やあいさつ文などを順番に配置してみよう。
1.画面上部の「挿入」をクリックし、その中から「テキストボックス」を選ぶ。候補の中から、「横書きテキストボックスの描画(H)」もしくは「縦書きテキストボックスの描画(V)」を選ぶ。
※ここでは、「縦書き」を選択。
2.テキストボックスを表示させたい位置にマウスを移動させ、ドラッグするとテキストボックスが現れる。マウスを上下左右に操作して、大きさを決める。
3.テキストボックスの中にカーソルが点滅しているので、文字を入力してみよう。
※ここでは、賀詞「謹賀新年」を入力。
Wordを使った年賀状の文面作成手順 その③
文字の大きさやフォントを決める
文字サイズやフォント(字体)を変えたり色を付けたりして、年賀状らしくなるよう文字の体裁を整えてみよう。
1.テキストボックスの中から、字体やサイズを変更したい文字をドラッグして選択状態にし、そのまま「ホーム」タブを開く。
※ここでは、「謹賀新年」の文字全体を選択。
2.フォント(字体)の設定をする
フォントのプルダウンの「▼」をクリックし、フォントの候補を表示させる。希望するフォントを選び、クリックする。どのフォントが良いか迷う場合は、いくつかのフォントを選んで表示させ、比較してみよう。
3.文字サイズを設定する
フォントサイズのプルダウンの「▼」をクリックし、フォントサイズの候補を表示させる。希望するサイズを選び、クリックする。直接フォントサイズの数値を入力することもできる。どのサイズが良いか分からなければ、いくつか選んでみて、出来栄えを確認しながら選びなおしてみよう。
※ここでは、36に設定。
4.文字のカラーを設定する
文字の色を設定する欄(Aの下に赤いバーが表示されている)の右側にある「▼」をクリックし、候補の中から希望の色を選ぶ。
※ここでは、一番左側にある、濃い赤を選択。色の候補の下にある「その他の色(M)」をクリックすると、さらに多くの候補が表示されるので、そこから選んでもよい(選んだら最後にOKを押して決定)。
5.上記1~4を繰り返して、賀詞と同じように、あいさつ文やメッセージ、年号、などを別々のテキストボックスで作成する。別々にしておけば、枠ごと文字列を移動できるので、文面全体のバランスを整える作業がしやすい。次で詳しく説明しよう。
Wordを使った年賀状の文面作成手順 その④
テキストボックスを調整する
テキストボックスの大きさや色や、枠線の色のバリエーションはたくさん。さまざまな組み合わせを試してみて、自分だけのオリジナルデザインの年賀状はがきを作ろう。
1.テキストボックスの大きさを変えてみる
テキストボックスをクリックして選択状態にすると、ボックスの枠線上に小さな●や■が表示される。そこにカーソルを合わせると、矢印や表示されるので、その方向に枠線をドラッグすることで、枠の大きさを調整することができる。
※文字が枠内に収まらない場合は、文字サイズを小さくしたり、行間をせまくしたりすることで調整できる。
2.場所を移動させる
テキストボックスの枠の上にカーソルを移動させると、上下左右向きに十字型の矢印が現れる。その矢印が出た状態でドラッグしてマウスを移動させると、そのテキストボックスを配置したい位置に移動させることができる。
3.ボックス内の塗りつぶし、枠線の色付け・消去
テキストボックスを選択状態にする。「書式」の中の「図形の塗りつぶし」をクリックし、ボックスに付けたい色を選択する。無色に戻したい場合は「色なし(N)」を選択する。「色なし」にすると、背景の画像やイラストの上に文字を重ねて書くことができる。
ボックスの枠線は、「書式」の「図形の枠線」を選び、現れた候補リストからカラーを選択する。枠を付けたくない場合は、「線なし(N)」をクリックする。
いろいろなパターンを組み合わせて、お気に入りのデザインに仕上げよう。
※ここでは、賀詞のボックスの色は黄色で枠線はなし、文章と年号のボックスは色・枠線ともなし、で設定。
Wordを使った年賀状の文面作成手順 その⑤
イラスト・画像の挿入
文字ばかりの年賀状にイラストや写真を張り付けると個性がでて、生き生きとした文面となる。
1.「挿入」タブの中から「画像」を選択。候補の中から該当の素材がある場所を開く。
2.左側に見えるフォルダの中から、イラストや画像が保存されているものを選ぶ。右側に、そのフォルダ内に保存されている画像やイラストが一覧表示されるので、年賀状に挿入したいイラスト、画像等をダブルクリック。
3.文面に、ダブルクリックで選択した画像やイラストが挿入される。画像の大きさを調整し、配置したい場所に移動させる。
4.画像やイラストを選択状態にして右クリックすると、ポップアップメニューが表示される。その中から「図の書式設定(Ⅰ)」を選ぶと、「図の書式設定」ウインドウが現れる。「レイアウト」タブをクリックして、折り返しの種類と配置の「背面(B)」を選択。
Wordを使った年賀状の文面作成手順 その⑥
作った文面をファイル保存する
文面ができあがったら、ファイル名を付けて保存する。作業途中でも、こまめに保存しておくと安心だ。年賀状の宛先別に文面を変えるときや、家族が違う文面を作成するときなどは、違うファイル名を付けて保存しておくようにしよう。
1.「ファイル」をクリックし、左側のメニュー表示から「名前を付けて保存」を選択。
2.ファイル名を入力し、保存先となるフォルダを選択し、「保存(s)」をクリック。
Wordを使った年賀状の文面作成手順 その⑦
作った文面を印刷する
文面を作り終えたら、さっそくプリンタで印刷してみよう。
1.「ファイル」をクリックし、左側のメニュー表示から「印刷」を選択。
2.印刷する枚数(部数)、印刷の向き、用紙サイズなど、各項目を入力・確認して、間違いがなければ「印刷」をクリックする。
※複数のプリンタを接続しているときは、プリンタの機種の選択を間違わないようにしよう。
Wordには、はがき印刷ウィザードが内蔵
Wordには、はがきの文面を作成することができる「はがき印刷ウィザード」が搭載されている。「差し込み文書」タブをクリックし、「作成」グループのなかの「はがき印刷」をクリックしてみよう。ドロップダウンリストから「文面の作成」を選ぶと、「はがき印刷ウィザード」の別画面が表示されるので案内に沿って作業する。
ただし、Wordのはがき印刷ウィザードでも、年賀状の作成に必要な賀詞や文言のサンプル、イラストのサンプルなどはそれほど多くない(ウィザードで選択できる干支のイラストなどは、9月に翌年のものに変わる)。また、ウィザードでの作業が終わった後に、レイアウトの調整や文字のサイズ、フォントの設定などを行わなくてはならず、はがき印刷ウィザードを使わない方法で作成したほうが、手間がかからないという意見もある。
まとめ
Wordを持っている人なら、年賀状の作成も簡単にできるので便利ではあるが、Wordはビジネス用のワープロソフトであるだけに、華やかな装飾や賀詞のサンプルなどがないのが難点。
せっかく年賀状を家庭で作成するのなら、文例やイラスト素材がふんだんに用意されている年賀状作成ソフトがダンゼン便利だ。操作の難易度は、office系のソフトを使い慣れている人なら簡単に作業できるレベル。Wordよりももう少し手の込んだ年賀状を作りたい人は、こちらを参考に。