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書道家が指南! 年賀状・はがきの美しい宛名の書き方

[第4回]
家族ぐるみのお付き合いで連名の多い宛名編

年賀状作成ソフト『筆まめ』は、業界に先駆けて宛名面の美しさにこだわってきたことはご存じだろうか? なんとプロの書道家に監修を依頼し、自動でキレイに仕上げる「美麗レイアウト」機能を実現しているのだ。本連載では、その書道家 神林富石先生に指南を請い、「美麗レイアウト」に仕上げるためのポイントを解説いただく。第4回は、家族ぐるみのお付き合いでありがちな、連名が多い宛名の書き方をチェック!

PROFILE

神林富石書道家

多摩美大卒。グラフィックデザイナーとして活躍後、1986年より篆書体の書作家に。謙愼書道会理事も務めた。2006年の『筆まめVer.17』より宛名面を監修。

ビジネスでの役職のように、ご家族の名前に序列づけは必要?

学生時代から続く友人関係も、いまや家族ぐるみのお付き合いとなり、年賀はがきの宛名にも、ご主人や奥さん、そしてお子さんと、年々連名が増えていくということも多いのではないだろうか? 人生模様という意味では幸せな変化だが、はがきの宛名書きとなるとこれもまた悩みの種。

実際に、そんな連名が多い宛名にトライしてみると、まず悩むのが、直接の付き合いのあるご主人と、奥さんやお子さんの名前を同列に書いていいものかどうか。会社の上司と部下というわけではないのだから──と思いつつ、なんとなくお子さんの名前は分けるべきかと感じたのだが……。

ご主人と奥さんを並列に、お子さんは小さめにして年齢順に書いてみた。家族のなかで、こういう序列づけは果たして必要なのだろうか?

ご主人と奥さんを並列に、お子さんは小さめにして年齢順に書いてみた。家族のなかで、こういう序列づけは果たして必要なのだろうか?

神林先生の訂正がこちら。「お子さんのお名前は少し小さく書いてもよいですが、ご主人と奥様は同列に」(神林先生)。

お子さんの名前は小さく書いてもOKだが、敬称の省略はNG!

結果は、「手書きで書くならお子さんの名前は少し小さくしてもいいかもしれませんね」(神林先生)と、やや序列をつけても良いそうだが、一方でダメ出しも。「ご主人と奥様のお名前は、同列にすべきです。お名前の字数のバランスを整えて、高さを揃えましょう。敬称は絶対に省略してはダメです」。また、お子さんの名前は、タテではなくヨコに列記するのが好ましいそう。ちなみに、敬称は「ちゃん」や「くん」で問題ないそうだ。

また、今回も住所の改行位置についてのご指摘とともに、差出人のバランスについても注意が必要とのご指摘が。
「連名が多いと、宛名と差出人の間が詰まって読みづらくなります。少し差出人の住所を小さく書くように意識してください。また、差出人の住所、名前は下辺が揃うようにして目線がガタガタしないようにしましょう」(神林先生)
なるほど、宛名のお名前が列記されたうえ、差出人が一段下がったことでずいぶんすっきりと読み取りやすくなった。

神林先生による模範例。お名前が横並びになり、かつ差出人が一段下がったことで宛名が読み取りやすい。「受け取ったお子さんたちも、横並びで名前が書かれていたら喜んでくれそうですよね」(神林先生)。

『筆まめ』最新版での作例。「パソコンだとお子さんの名前だけを小さくすることはできませんが、レイアウトは見やすく仕上がるように監修させていただきました」(神林先生)。漢数字や「様」など、同じ文字が並ぶ場合に、少しずつ書体を変えてメリハリをつけているのも気が利いている。

神林先生の指南でお届けしてきた本連載は、これにてひとまず最終回。また宛名のバランスで悩むことが出てきたら、神林先生にご登場願いたい。それでは、本連載での “教え” をさっそく実践して、大切な人に美しい宛名で新年のご挨拶を!

文/クエストルーム

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バックナンバー

[第3回]マナーも気になる肩書き付きの宛名編

[第2回]区切りどころに悩む長~い住所編

[第1回]バランスが難しいシンプルな宛名編